皆さまこんにちは。
教育グループ発信のコラム、『DX 寺子屋』、第6回です。
今回は3DCADにおけるモデルの表現方法について触れておきます。
代表的なものとして、ソリッド、サーフェスがあります。
一言で分類すると、ソリッドは中身のつまったもの、
サーフェスはペラペラの面、といったところでしょうか。
球体を例に、それぞれの違いを考えるとすると、つるっとしたきれいな球と紙風船のようなイメージです。
トップの画像はこのイメージのモデリングです。
球は半円弧を回転させると作成できますが、紙風船は幾何学的な目線で見ると少し歪んでいます。
そういった形状をソリッドで作成するのは難しいですが、面単位であれば比較的容易です。
また、乗り物によくある流線形状や自由曲面の多いデザインなどはサーフェスの方が作りやすいです。
サーフェスはソリッドとは違い、かたまりではなく面単位でモデリングすることができるため、
より複雑な形状を作成しやすいのです。
ソリッドは中身が詰まっていて重さ認識があります。
そのため、質量、重心、体積、表面積などの幾何情報を得ることができます。
材料の割り当てを行うことで、モデルに密度が適用され、その形状で重さがいくつになるか、
という試算もできます。
3DCAD上でモデルを作成するときは、何もない空間にはいきなり作れず、
仮想的な基準面を用意する、というものが機械系CADには多いです。
この基準面は、成果物の邪魔とならないように、重さ、厚みなどが0(ゼロ)の認識となっています。
サーフェスはこの基準面と同じで、目には見えるけれど、重さ厚みともに0という認識です。
イメージ画像は少し透かせましたが、仮に閉じた形状を作成したとしても、体積はありません。
では、モデリングにおいてソリッド・サーフェスをどう使い分けるかを考えましょう。
これは一概には言えないのですが、まずは基本ソリッドで作成し、
不可能または難しい部分はサーフェスで、と考えると良いかもしれません。
なぜかと言うと、欲しい成果物は最終的には実際の重さ、厚みのある形状であることが多いからです。
そのため、サーフェスで作ると、つなぎ合わせる、ソリッドに変換する、などの工程が必要です。
したがって、直接ソリッドで作成する場合に比べ、サーフェスのみで作りこんでいこうとすると
相対的に工程が増える場合が多いです。工程が多くなると、単純に時間もかかりますが、
扱いづらくなる、という面もあります。
例えば大きさなどの修正が入った際に簡単に変更できなかったり、他の部分が壊れたりします。
そのため、それぞれのメリット、デメリットを踏まえた上で作成方法を選択していくのが良いでしょう。
モデリングに幅を持たせられると考えると良いかもしれません。
サーフェスを使ったモデリング例を挙げます。
今回作りたい形状はこちらです。
いくつかの工程にわけて作っていきましょう。
まず、土台は平面的な要素の直方体ですので、ソリッドで作成します。
次に、上の形状ですが、
底面はソリッド上面とぴったり同じ形のため作成不要です。(CADによっては必要です。)
上面と側面は自由曲面です。かつ、それぞれ5面とも違う形状です。
まとめて作るのは難しそうですので、面単位で作成しましょう。
このような時にサーフェスが使えます。
まずは上面の1枚を作成します。
次に、側面も1枚ずつ作成します。
前面もふさいで、それぞれを接着します。
その後、余分な所をカットします。
作り上げたサーフェスのかたまりをソリッドに変換して出来上がりです。
サーフェスをソリッドにする方法はいくつかあります。
CADによっても異なりますが、以下代表的な方法を挙げます。
・閉じた形状にし、内側をソリッド変換
・作成したサーフェスでソリッドの面を置き換えまたはカット
・作成したサーフェスに厚みを付けることでソリッド化
今回ご紹介したのは一番上の方法です。
複雑な形状をつくる時は、全体を一気に作りこむのではなく、今回のように
少しずつ工程を組み合わせていくのも有効です。
長くなってきましたので、他の作成方法はまたの機会にご紹介します。
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